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ビッグコミック:名物に旨いものあり


ビッグコミック:名物に旨いものあり
神奈川県藤沢市【羊羹】
如何にして生まれたか、解明は困難。
名物で作り続けられる極上の羊羹。


●お問合せ先
中村屋羊羹店
〒251-0036
神奈川県藤沢市江の島2-5-25
TEL:0466-22-4214
FAX:0466-22-4214
http://noriyoukan.com/

●入手方法
電話(9:00-17:30。不定休)か、FAXか、
インターネットで。
・小サイズ(一本250g) 800円
・大サイズ(一本530g) 1600円
税込、送料別。
化粧箱入りの2本詰めセットや3本詰めセットもあり。

 甘いものを甘く見てはいけない。
 時々、無性に羊羹が食べたくなり、のたうち回ることがある。これまで私は"やましろ羊羹舗"の乾き羊羹を偏愛してきたが、後継者がいなくて閉店してしまい、困り果てていた。
 ある朝、あまりの陽気に誘われて、私は江ノ島行きの電車に乗った。天下の名勝、日本三大弁天を拝み、一軒の羊羹屋へ入った。「なぜ?」と問われても困る。見えざる者によって誘導されたとしか思えないのだ。そこで出逢ったのが、探し求めていた味。「コレだ!」と、思わず膝を打つと、隣のオヤジが膝をさすり「何すんねん、痛いがな!」
 見た目は蒟蒻に似ている。ゆったりと味わうと、あら不思議。口の中で淡い甘さと同時に、爽やかな海苔の香りが拡がってゆくのである。羊羹と海苔、なんとも不可解なコンビネーションである。誰が如何にして着想したか、知らずにおくべきか。
 「ウチは江戸時代の"傳左"という駄菓子屋を源としていますが、この羊羹を着想したのが、二代目の中村助次郎です」と元祖海苔羊羹・中村屋羊羹店の四代目、中村憲昌氏。
 「作り始めて110年になりますが、発想の原点は江ノ島に生まれ、江ノ島に住んでいる人間にしかわからないと思います」。うーん、なるほど、わかるようでわからないような答えが、なぜか嬉しい。
 その製法は、江ノ島で採取した岩海苔を天日で乾燥させ、鉄板の上で焼いて練り上げ、直後に白隠元豆餡の羊羹に混ぜ合わせるというもの。想像するだけで、上品に漂う海苔の香りに、うっとりとしてしまう。しかし、この味、作り出すのは容易ではない。「お客さんは、いつも同じ味を求めます。でも、季節によって温度も香りも異なるもので、一年中同じ味を出すのは大変なんです」。
 お茶受けに合うのは勿論だが、意外や酒のつまみに良し、二日酔いで食べるのも良し。二日酔いの達人の私が言うのだから、間違いない。肝臓がアルコールを分解するときに、糖分が必要になるのだ。
 中村氏の夢は「和菓子イコール羊羹という日本の伝統を守り続けてたい。羊羹の本当の美味しさを知らない若者に、一人でも多く、この味わいを伝えてゆきたいんです」。


-----伊丹由宇

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